角柱の体積

夕方、小6三人のコマ、角柱の体積の問題。優等生の望(仮名)とやんちゃな仁(仮名)ともうひとり。三角柱を÷2していないミス、単純な計算ミス。望がほとんど間違っていることをしりながら勝手に丸つけをした。×をつけるごとに望の顔は曇っていった。丸つけをする前に間違いを指摘するべきだった。そう考えながらほとんどに×をつけた。頑張って解いた問題のほとんどに。

先にミスを指摘してやればよかった。あんな顔の望は見たことがなかった。エーリッヒケストナー。子どもだって、ときにはずいぶん悲しく、不幸なことだってあるのだ。生徒の顔色を伺うのは疲れる。だから愛想よくしないことを意識している。それにしても、今のは無神経だったと、暗い顔の望を横に別の生徒の指導しながら思った。授業の終わり、望は明るさを取り戻していた。さっきの辛さを忘れたというより、意識的に元気になろうとしたように見える。俺に対する若干の失望やいらだちを一旦横へ置いたのか、意識的に忘れたのか。外でタバコを吸いながらこれiPhoneにメモしている18:25。車のライトが歩きタバコをしている俺を避難しているように見えた。教室に戻ると仁も望もまだ帰っていなかった。親同士が話している。「先生どこいたんですか。望ー」と仁。望が笑顔で駆け寄ってきた。

小6、嫌なことを数分で忘れるほど子どもではないはず。自分で気持ちを切り替えたんだろう。どのタイミングでミスを指摘するか。どのタイミングで丸つけをするか。あまり意識的になりすぎても疲れる。シーラという子、トリイヘイデン。教師はタイミングが大事だと言っていた。トリイヘイデン、fromdusktildawnの勧めで買った本の一つ。読んだあとは特別好きじゃなかったけどあとで思い返すことが多い。