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汚さ

同い年の従兄弟の結婚式。家族、親戚とバスで大宮へ。従兄弟がみんなに愛されているのがよくわかる。披露宴までの間、屋外で写真を撮られている従兄弟と奥さん。俺は所在なく、カクテルを飲みながら一人で立っている。同じ月に生まれ、同じ学校に通い、どうして差がついた。俺はこういう結婚式は絶対にできない。ウェルカムスピーチをする従兄弟、本日は私たちのためにお集まりいただき誠にありがとうございます。暗記した言葉を頑張って言っている。緊張している。不慣れな感じがわかる。必死で役割を演じようとしている。人生のあるポイントで、慣れなくてはいけないことがある。こいつはきっと今までの人生、いつもこうやってきたんだろう。恥ずかしくて慣れないことを、逃げずにやってきて、着実に大人になっている。その現場を見せられている。俺は役割を演じていない。素のままでいる子ども。ただカクテルを手に一人で立っている。

NYが、セックスをするのが怖いという。本当に好きなのかとか、誰でもいいんじゃないのとか言われる。きついから一緒にいてくれ。疑わないでくれ。俺だってわからないんだから。プレゼントをあげたい。ネックレスを。

負のオーラが自分から出ているのがわかる。しょうもない人間なのが、一目で伝わるんじゃないかと思う。顔が歪む。

負い目になるようなことばかりやっている。昨日も街コンへ行った。もし可愛い子と仲良くなれたら、来週はNYと会うのはやめようとも考えていた。そういうことはやめたい。従兄弟の幸せな結婚式に影響されてしまう。目の前の向き合うべきことを無視して、先の保険を作ろうとする。就活のとき、持ち駒を増やすことばかりで、翌日の面接の対策をせずリクナビで新しくエントリーしてたのを思い出す。

俺の辛さを、俺の半端な気持ちを吐き出して受け止めてほしいと思ってしまっている。それはだめだ。素はだめだ。少し演じる。

一昨日考えた短歌が、出来以前に、人間としてゴミすぎて、この流れで発表できない。汚さを昇華する形でしか創作ができない。痛さとか、惨めさならまだ良い。汚さとは友達になっちゃいけなかった。真っ当に生きながら汚い芸術を楽しんだり、汚い人間を愛せる人はすごい。自ら汚くなって、汚い芸術や人間を愛せることはなにも凄くない。汚さを取り込みすぎて、もうとれない。長年灰皿にした缶。二度とそれで綺麗な水は飲めない。