ARABAKI ROCK FEST.16備忘録

午前金曜6時ケータイが鳴りet2からの着信。もう着くとのこと。6時出発予定だったのにまったく準備をしていなかった。一旦リンゴを食べて待っててもらった。et2の車で山形経由で宮城県へ。「好きなコができた」ではなく「好きなコはできた」という曲名にすることの凄さについて二人で話した。エレカシを見ずに大森靖子に行くと言ったらバカにされた。14時頃到着。バスに乗りCに連絡をとる。近くのステージでHYがAM11:00を演奏する中テントを組み立て、pillowsのfunny bunnyを聞いて、eastern youthを少し覗き、theピーズ

サカナクションの後、Cに会った。ロッキンジャパン2011以来5年ぶり。飯を食うCの横でビールを飲み、お互いの彼氏彼女の話や、スプラトゥーンの話をした。緊張した。モゴモゴと喋ってしまった。Cは余裕があるようだった。もう君のことはなんとも思っていないんだよ。一緒にサンボマスターを見た。

テントに戻り、一人用の小さなテントの中でet2とコーヒーを飲む。隣のテントでは、大きいテントで男たちが合コンでの失敗談を話していた。フェスのキャンプでは夜な夜な男女が出会うなんて聞いたけど、そんなこと考えられないくらい寒く過酷な状況だった。強風でテントが飛びそうになる中硬い地面に横になる。まったく寝れない。

翌日喫煙所に向かう最中、歌いながら小走りでクリープハイプに向かうCを見かけた。Colemanの椅子に腰かけながらクリープハイプを聞いた。この、だせえ音楽。好きになってしまう気持ちはわかる。タオルを顔にかけて目をつむって、もしかしたらもう会わないかもしれないCの、小走りのさっきの映像を思いながら、ボーカルの高い声を聴いていた。久々なのもあって、昨日はCと何を話せばいいかわからなかった。勇気を出してまたCに連絡を取ってみた。

大森靖子は凄かった。痛いっちゃ痛い。でもそれ以上にかっこいい。俺の中のカッコ良さは痛さと近いところにある。ヒロトだって峯田だって痛いときは痛い。そこのギリギリのラインがかっこいい。安全圏で、動かないダサさより、ギリギリのラインを狙って痛くなってしまうダサさのほうがずっと良い。俺は楽しむだけ楽しんで、大森靖子は全力でピエロやってるのに俺は消費だけしてるのが恥ずかしくなった。

Cに再会して飯。銀杏の話をした。最前列を狙うと言ったら、唾をかけられるよと言われた。唾をかけられるのも醍醐味でしょと俺は言った。14の頃から好きだった峯田をやっと見れるんだから、唾くらいかけられた方がいい。タバコを吸いにいくためにCも喫煙所に来てもらった。後ろを振り返ったらCがいなくて、焦ってまわりをウロウロ動き回った。Cはすぐ近くにいて、笑われた。ソウルフラワーユニオンを見ながらタバコを吸った。Cはケータイをいじっている。Cが友達と合流すると言っている18時まであと10分、どうしよう。次会うときは何年後かわからない。会うこともないかもしれない。ドラマチックなことも起きない。踏み込んだ話もできない。前回のことを話すわけにもいかない。もう俺らの中の楽しい時代のピークは終わっている。最後に二人で写真を撮った。

銀杏を待ち、最前列近くで待っていた。カースト最下層だった中3の15歳のとき、DOORを買った記憶。給食を食べているときに夢で逢えたらが流れた記憶。チャットワールドの掲示板でCたちと銀杏の話をした記憶。もなちゃとの廃墟で毎日何時間も音楽や漫画の話とか、いつか絶対会おうとか、そんな話をした記憶を辿りながら、20分ほど待っていた。峯田が出てきて、人間をみんなで歌った。

はじめの客のテンションは峯田自身のパワー以上で、みんなの中の峯田のほうが目の前の峯田を凌駕しているようだった。二曲目のアホンダラ行進曲あたりで峯田もどんどんヒートアップしてきて、みんなの中の、すごい峯田と目の前の峯田が一致してきて、そういうの、よかった。

Cは一緒に来た友達と見ると言っていた。出来れば峯田はCと見たかった。峯田ー!とか、ありがとう!とか、いつもなら言えない声量で叫んだ。十数年分の何かを発散できた。最後銀河鉄道の夜のとき、主客未分の境地にいけた。峯田すごい、楽しい、よかったっていうだけじゃなくて、俺は俺の人生をちゃんとやろうって思って、あとでそれをブログに書こうって思ったときに、もう主客未分は終わって残りの銀河鉄道の夜消化試合のようになってしまった。

峯田の真っ白な涎、男だけで絶対女の子絶対女の子がいいなと歌ったときの大森靖子の笑顔、緊張して突っ立っている俺に座りなと言ったC、朝et2の焼いてくれたソーセージとチーズを挟んだパン

DOOR