夢のENDはいつも目覚まし

土曜日、駅前の居酒屋で20時から飲み始めた。予約していた、一つしかない個室に入って、俺はまずコロナを頼んで、NYちゃんは甘めのカクテルを頼んだ。漫画やアニメの話をした。オタクな面を出してしまうたびに、だめですねとNYちゃんは言った。20:30頃、マアでも〜〜(なんとかかんとか)付き合ってみない?と俺は言った。NYちゃんはえ、え、もっかいちゃんと言ってくださいと言った。俺はあの〜〜なんとかかんとかと言った。NYちゃんはお願いしますと言った。NYちゃんがトイレに行ってる間に会計済ませようとして、店員が会計を出す時間を計算に入れてなくてNYちゃんが帰ってきてしまった。23:30になって、終電がなくなった。居酒屋を出て、どこかでもう少しだけ飲むか、と話しながらホテルへ歩いた。ホテルへ向かっていると言うと、NYちゃんは、いや、え?え?と言った。早くない?と言った。そういうことは他の子とやってくださいと言った。俺は誤解を解きたいからホテルはやめて他の店で一杯だけ飲んで帰ろうと言った。ホテルと逆方向へ歩きながら、そんなに会う機会もないし、会うの二回目だけどNYちゃんまだ敬語だし、どーのこーのと俺は言った。NYちゃんはそういうことを経験したことがないんだと言った。だめですねと言った。またホテルの方向へ向かった。NYちゃんは寒いので〜〜なんとかかんとかとりあえず室内に行きますかと言った。ホテルの鍵はひとつだけ空いていて、小窓から出てきたババアの手に6000円を置いた。部屋の風呂場は透明のガラスで、ソファから風呂が丸見えだった。えやばくないですかとNYちゃんは言った。NYちゃんがシャワーを浴びている間に俺はローソンへ行きタバコとポテトサラダを買った。ホテルに戻るとNYちゃんがやっぱりやめましょうと言った。俺はそっか〜〜惜しいけど帰ろうと言うと、NYちゃんはホテル代もったいないからあなたはここで寝て私は帰るよというようなことを言うので、マアでも〜〜それは寂しいのでせめて一緒に寝てほしいと言った。NYちゃんは早く捨てたい気持ちはあるんですと言った。なんとかかんとかと俺は言った。NYちゃんが悩んでいる間に電気を消した。ベッドに寝て、こっちに来てくれと言った。真っ暗で何も見えない中、せめて手だけつなごうと言った。そのまま近付いて、キスをしないかと言った。キスをしてみたが真っ暗の中口に歯が当たっただけだった。キスやペッティングがうまくいかないたびにだめですねとNYちゃんは言った。下は脱がなかった。結局NYちゃんの上半身をいじくるだけで終わった。戦いのあとNYちゃんはしきりに暑い暑いと言っていた。寝る努力を一時間ほどして、お互いまだ起きていたので、テレビを付けて、俺はソファで、NYちゃんはベッドで、少しだけ話した。あのときのNYちゃんの顔は、疲れているっていう感じで、あの顔は諦めの顔か、ただの眠気か、俺は今一度アップしたこのブログを書き直している、追加で書いている、具体的な描写があったほうがいいかとおもって、書き直している。それでNYちゃんのあのときの顔を思い出して、掘り下げすぎだ、やめろと思って、一瞬ウワーーーーとなった。書き足したせいで文章が余計ぐちゃぐちゃだ。ここのこの部分が最後に書いた場所だ。繋がってようが繋がってまいがどうでもいい。

俺は始発で帰った。NYちゃんはホテルで寝ていくと言った。

俺のドロドロの内訳の、反省や自己嫌悪や罪悪感や劣等感や優越感や達成感を掘り下げて書いてしまうと、いつかまとまるかもしれないぐるぐるうごめいている何かを今固めてしまいそうなのでやめておく。先週のランチのあとに何も考えずに刃牙道を読んだのも、今回始発で帰って家までの帰り道夢のENDはいつも目覚ましを歌っていたのも、ドロドロを固めないため。

程度の低い痛さ、リアルにきもい動き、言動をしてきたのだけどそれを上手に描写する技術も、ありのままに書く勇気もない。固めないよう固めないようしているのに固まってきている。マイナス寄りに固まってきている。罪悪感が、薄いな、たいして悪いことしたと思っていないな、いつかに比べて、と、始発が動き出してしばらく経って、女の車掌が、次は、荻川です、と言ったときに、罪悪感が前より、大学4年の新入生歓迎会で帰る途中の新1年にキスをしたときより薄いなと思ったことを書いておこう。そのあと、ゴミをわざわざ持ち帰ってきたけど、ホテルに捨てればよかったなって思ったことも書いておこう。ゴミとストレートティーを電車の床に置かないで隣の座席に置いておけばよかったなと思ったことも書いておこう。女の車掌は、次は、新津です、と言って、次は、新津、新津、と二回言わないんだなと思ったことを、蘇美は月曜日また新津に来るのかなとか思ったことを書いておこう。