ザワールドイズマインvsオシャグロ漫画/ぷよm@sの熱い文法

グロいのが好きだという女の子にザワールドイズマインを貸したけど、好みに合わないんじゃないかといまになって思った。その子は亜人、神さまのいうとおりあたりが好きらしい。

ザワールドイズマインのグロは、デスゲーム系漫画と違って、血の通った人間が死んでいる。マリアの友だちの部屋の本棚の上の小物がたくさんあったり、トシにナイフで殺された女はギャルの風貌になった経緯が想像できるくらい内面が見えてる(うろ覚えだけど)。宮本から君へのような、人間を描いてる漫画家じゃないと描けない死がある。

逆に、デスゲームばかり描いてる人の人間は薄くて、殺されるために生まれてきたようにしか見えない。今流行りのクソデスゲームものだけじゃなくて、ドロヘドロ駕籠真太郎みたいなオシャグロ漫画もそういう安っぽさが見えてダメだった。

生が先にあって、生と生がたくさんある世の中で殺しがでてきて、結果として死が出てくるのが好き、というか、そうでないと死が軽すぎる。生が死に先立っててほしい。

俺は死のエンタメ化がだめなんだと思い込んでたけど、ジョジョバキシグルイあたりの俺の好きな2ch鉄板四天王漫画も死のエンタメ化はあるけど十分凄いものになってる。

そういえば、アイアムアヒーローもなんだかエンタメ的な死が増えてきた気がする。荒木(だっけ、一緒にモール行った奴)の最期とか、足怪我したやつがゾンビをおびき寄せるところとか、グっとくるところではあるけど、今思うと生を描いた上での死ってよりはそういう熱い文法に則って描いてるだけな気がする。花沢健吾新井英樹が好きだから、そっちやりたいのはわかる。でも新井英樹程の守備範囲はなかった。ルサンチマンをバネにした漫画(まさに「ルサンチマン」のような)をたくさん描いてくれたらいいのに。古谷実みたいに同じのところから離れなすぎるのも困るけど。

熱い文法といえば、ぷよm@sのpart33を見返した。既存の絵、既存の音楽を使ったニコニコ的二次創作なんだけど、少年漫画的文法の熱さがふんだんに出てきて、久々に見て感動した。すべてゼロから作るほうが偉いのは確かだけど、絵、音楽が既存のものでも、十分評価に値する作品はある。こんなのサンプリングが流行った時代から出てた答えか。それでも、どこかニコニコの動画をナメてた気持ちがあったので衝撃を受けた。

17分からの展開。この楽しい時間が終わってしまうという雪穂はBUTTER!!最終話の端場くんを連想させる。

【1DAY】ぷよm@s part33【トーナメント(2年)】 ‐ ニコニコ動画:GINZA

死がどうのこうのとか言ってるけど実際に死を身近で意識してない。ナメてしまうような創作をニコニコにあげてもいない。偉そうだ、と予防線を張った書き方をしてしまうのは人にブログを見られていると意識しすぎだ。備忘録的に使わないといけない。

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン 3巻 (ビームコミックス)